僕たちの道標
……え?
「本当ですかっ!?」
待て待て。
「グリーン!」
「そいつらに気を遣ってるのか?」
ぎくりとする。
「それでいいのか?」
追い討ちをかけるように。
「心配性だなあ、レッドは!」
ローナが声を上げた。
「僕たち、めちゃくちゃ強いんだから!」
「わ、分かってるけど」
「じゃあ早速準備しちゃいますね!」
ブルーは先程までの気弱な様子は何処へやら、鞄を下ろしてモンスターボール基バトルで使用するパーティの整理を始める。一方でこちらは面子もトレーナーの力量も割れている。詰まる所圧倒的に不利な立ち位置なのだ。
「この間組んだばかりだから自信ないなあ」
草地の上に足を崩して座り込みながらボールを両手に先手は誰にしようか眉を寄せて。
「あら。自信がないのね」
「当然ですよ」
ブルーは真面目な声音で応える。
「だって。相手はレッド君ですから」
心臓の鼓動が鳴り響いた。
「期待には応えなくちゃな」
そう言ってグリーンが振り向いた頃には帽子の影が意味深に差し込んでいた。バトルの舞台となる周辺の地形と環境。加えてそれぞれ三人の持ち技や特徴。導き出される幾つもの戦術。
「大丈夫」
釘打つように唱える。
「じゃ、準備が出来たら始めるか」