僕たちの道標



ぶわっ、と。堪えていたものが両の目から溢れ出して思わずギョッとしてしまう。

「ううううぅ……!」
「ええーっどうしたの?」
「ネロが怖かったのかしら」
「いつまでそのネタ引きずるつもりだ」

気にかける兄妹に冷や汗がたらり。

「ど、どうしたの?」
「……だって」

ブルーはぽろぽろと涙を零しながら。

「せっかく、会えたのに……」

そうか。グリーンが指摘をしないだけに自分も気にかけていなかったが彼女にとってもやっと再会をしたというところで落ち着く間もなくお別れという形になってしまったのだった。

まさか泣き出してしまうほどのことだとは──ここは何か意見か支援サポートを頂戴したいとグリーンに視線を投げかけてみたが返ってきたのは呆れたような目線と小さな溜め息。

「私のパーティも結局見てもらえてないし」

忘れていた。

「あら。貴女もトレーナーだったのね」
「普段は父と一緒に研究所のお手伝いをさせてもらってるんです」

シフォンに背中を摩られて落ち着いてきた頃。

「ちょうどいいじゃねえか」

グリーンが提案する。

「レッド。そいつらと一緒にブルーとポケモンバトルしてみろよ」
 
 
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