僕たちの道標
弾かれても。振り払われても。
何度でも立ち向かう。……何度でも。
「ねえね」
ずっと待ち望んでいた言葉が胸に刺さるのは。
「逃げていたのは」
零れる。
「私たちだわ」
羞恥に身を包んで投げ出したくなる。
でも。
「行くわよ」
呟かれた言葉に深く頷いた。
「うん!」
地面に投げ出される。肩を上下させながら重い体を引き摺るように起こせばその人は見つめていた。吐く息からは火の粉が漏れ出して。
「リザードン」
穏やかな声音で語りかける。
「ずっと叫んでいたんだ」
雨の日も風の日も。
体内を渦巻く焔に声を呑まれながら。
「助けて、って」
その単語を耳にした途端。リザードンはまるで拒絶するかのように低く呻いた。灼熱が思考を蝕んで声として正しく変換されず咆哮となる。感じ取った彼の本音を思えばそれはあまりにも痛ましくレッドは言葉を詰まらせる。
「リザードン!」