僕たちの道標
「うわっ!」
足首に何かが絡み付いた──かと思えば力強く引かれてレッドとグリーンは窮地を脱する。
「──全く」
呆れた声が呟く。
「命知らずにも程があるわね」
「……フシギソウ!」
手首や脹脛などに包帯を巻いているが動けない程の傷でもなかったらしい。蔓の鞭を構えた少女は救出した二人を見下していたがその目には当初のような警戒の色は窺えずに。主に視線を注がれている隣のレッドをグリーンは眉を寄せながら何が何やらと怪訝そうに見つめて。
「──レッド君! グリーン君!」
聞き覚えのある声に揃って振り返る。
「ブルー!」
「なんでこんなところに」
「僕が呼んだの!」
ブルーの後ろから現れたのはゼニガメである。どうも姿を見かけないと思っていたが彼女も彼女なりに考えあって行動していたらしい。
「町中は大騒ぎです。もうすぐ警察の人が駆けつけます。だからそれまで時間稼ぎを」
咆哮がびりびりと響く。
「に、にいに」
ゼニガメは怯えた様子で呟いた。
「……妹の顔も忘れたのね」
フシギソウは眉を寄せる。
「どうしよう……!」
「あなたは後ろに下がっていなさい」
「でも、」
「──見つけたぞ!」