僕たちの道標



相手は──炎タイプだ。繰り出す攻撃の形態は多く特殊技であると見受けられる。であれば此方のミロカロスのミラーコートで技を受け止めつつグリーンのカメックスのハイドロポンプで体力を削るのが妥当だろう。仮にカメックスが倒れても飛行タイプには電気の技がよく効く。控えのピカチュウを繰り出しこの悪天候を利用した必中の雷を落とせばいいのだから──


攻撃しないで!


「……!」


にいになの!


「ダメだ」

レッドは小さな声で呟いた。

「、は」
「攻撃できない!」

この状況に見合わぬ発言にグリーンはギョッとして一瞬言葉を失う。

「頓珍漢なこと抜かしてる場合かよ!」
「あの子だって戦うことを望んでいない!」
「状況を見ろよ!」

唸り声にグリーンは素早く向き直る。

「グリーン!」
「ば、っ離せレッド!」

モンスターボールに手を触れたグリーンに気が付くや否や手首を掴んでそれを阻止。攻撃するしないと取っ組み合いをしている最中苦しげに灼熱の息を吐き出してリザードンは遂に曇天を劈く鳴き声を響かせる。二人が怯んでいる間に情け容赦なく紅蓮の炎が放たれて──
 
 
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