僕たちの道標



どうして、そこまでして人間を。

ゼニガメを見送った後でいけないと知りながらも自分自身食事を摂りながら携帯端末を使って調べた。──森林都市メヌエルにある非公認のポケモン研究所について。

文字を打ち込んで検索をすると思っていたより早く求めていた情報が目に飛び込んだ。


アルフェイン研究所。


森林都市メヌエルの森奥深くにあるその研究所では聖樹フィエスタの加護を受けて人間と同じ姿形を借りられるポケモンを研究対象に置いている。その一環として御三家である種を遺伝子提供などによって人工的に──人工的に!?

確かにこれでは生存競争に大きく差が付いたとしてもあくまで自然に任せた形で保護をするといった保護団体の方針に反している。とはいえこれまで話題にも上がらなかったということは例え問題視されていても指摘の困難なラインを攻めているからなのだろう。メヌエルに住んでいるのは何もポケモンだけという話ではない筈なのだから例えばトレーナーを目指す権力者の子供を対象に取引も兼ねてポケモンを提供しているとか──それなら色々と辻褄が合う。


彼らが人間を信用していないのは。

過去に何か弊害があったから?


食事を終えて息を吐く。食器の片付けをしようかとも思ったがそれはそれとして休憩が先。

気にかけてみても仕方がないのにな。

でも。ソファーの上に寝転びながらモンスターボールを手に翳して見つめる。


彼らにとっての弊害に。

トレーナーが関与していたのだとしたら。……
 
 
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