偽りの天使
胸を打つ心臓を落ち着けるように手を置いて、ロイは振り返る。
「おま……メタナイトかと思ったじゃんか」
「不平があるようなら聞いてやろう」
遅れて現れたのは仮面騎士、メタナイト。
「言ってみろ」
「と、特にありません」
……やれやれ。
「ハローハロー! お兄ちゃんがお世話になりまーす!」
元気よく入場してきたのはローナである。まさか、彼女も?
「こらローナ。出しゃばらないでちょうだい」
かと思いきやその姉シフォンが現れて彼女の首後ろの襟を引いた。
「全くもう恥ずかしいんだから。……ごめんなさいね、遅くなっちゃって」
「いいよ気にしないで。受けてた依頼を無理に片付けさせたんだから」
「ったく、大変だったんだからな」
「何となく察してるよ」
ネロは腕を組んで溜め息を洩らす。
「今度の作戦は“空”でしょう。私たちは退散するわ」
「頑張ってねぇー!」
……えっ?
「悪いなルーティ。うちの妹たちが騒がしくて」
……今。
「まるで嵐が来たみたいだったな」
「ファルコ!」
「トリさんにしては、頭が冴えてるじゃない?」
「作戦遂行中に撃ち落としてやってもいいんだぜぇ、カービィ?」
「へえ、返すようになったじゃん」
空って――