悪い子のススメ



そうこうしている間に日も傾いてきた。

大抵の生徒が寄り道を済ませて帰路に戻る頃合いだ、ともなれば生徒会たる自分たちもいくら素行の悪い生徒に寄り添う為だ何だといったところでもし万が一にでも見回りの先生に見つかってしまったら何を言われたものか分かったものじゃない──そんなリスクを冒すメリットが当然あるとも思えないのでそろそろのことマークも解散を提案しようとしたその時である。

「あれに行きましょう!」

立ち止まったルキナが指差したのは。

「……、……ゲームセンター?」


紛うことなき。


「だ、大丈夫なのかい」

これを二つ返事でロックマンも承諾するものだから流石のマークも耳打ちをした。前述の通り見回りの先生に見つかれば幾ら理由を話したところでお叱りを受けるのは必然的だろう。

「門限とか」
「俺は特に決まっていないからな」
「ぼくも大丈夫」
「ルキナの方だよ」

肝心の彼女はというとお馴染みUFOキャッチャーの前で目を輝かせている。いくら(彼女なりに)ギャルの格好をしているからといって彼女自身のオーラはそうそう隠せるものでもない。

「はは。心配しなくとも先生方に見つかった時の言い訳くらい幾らでも考えてあるさ」

にっこりと笑ってロックマンが返した矢先。

「……会長」

ハルが服の裾を引いて。

「うん?」
「……あれ」

指差した先には。

「あーもー全然取れないじゃんムカつく!」
「シュルク。未来視で何とかならないのか?」
「多分無理だと思うけど……」

……な、

なんでパックマンとクロムとシュルクの三人がここに!?
 
 
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