悪い子のススメ
というわけで。
悪いことをすることになりました。
「ほ、本当に誰も居ないんだね?」
「俺もこの格好を見られたくはないからな」
学園の正門──ではなく裏門。人目を気にしながら並んでこそこそと姿を現したのはロックマンとマークとハルの三人だった。
何とこの三人。制服のボタンを第二まで外したり髪をそれぞれワックスでアレンジしたりとぱっと見は彼らだと気付かないくらいにはその見た目が変わっているのだ。特にロックマンは普段髪を整えていないのでオールバックともなれば余計に様変わりしているように窺える始末。
「会長は……そっちの方がいいと思う」
「僕もそう思うよ」
ハルとマークは口々に。
「お前は歩きづらそうだな」
ロックマンが指摘した通りマークはというと所謂腰パンスタイルで立ち止まっている今でこそ問題はないがひと度歩き出せば足を引っ掛けて転んでしまいそうなものである。
「うぅ……僕も迷ったんだけど素行の悪い生徒のイメージがこれだったから……」
マークが話していると。
「──お待たせしてしまってすみません!」
三人は振り返る。
「適性が分からなくて手間取ってしまって」
「うわあああっ!?」