触るるなかれ!



普段なら一緒になってローナに注意を促しているところだがうっかり口出しすればブーメランが深く突き刺さりそうなもの。肌着を忘れるだけなら未だしも下の穿き物を忘れるのはちょっと。

「どうするんだよ」

ネロは腕を組んで呆れ気味に。

「四時限目は体育だぞ」


……、………………!?


「忘れてたって顔してるわね」
「してるな」

シフォンとネロは口々に。

「しょうがないなー」

ローナは自身の胸に手を置きながら。

「ローナちゃんが下着を貸してあげよう!」
「いらない」
「生だよ?」
「生じゃなくてもだよ」

どうして女の子の下着を貸してもらうことで解決すると思っているのか。

「保健室に下着って置いてあるのかしら」
「あまり聞いたことはないけどな」

と。ここで無慈悲にもチャイムが鳴り響く。

「げっ! 次の授業は!?」
「歴史だったはずよ」
「ああもう!」

なんでもっと早く相談してくれなかったんだなどと責め立てている場合でもない。ネロは荒く頭の後ろを掻いてからローナを振り返る。

「次の授業サボってよし!」
「やったー!」
「その代わりお前保健室で下着貰ってこい!」
「マリオ先生の?」
「新品のヤツだよ!」
「なんでさっきから使い回しなの?」

ラジャー! と元気よく敬礼してローナは階段を二段三段と飛ばして駆け降りていく。自分たちも怪しまれない内にさっさと教室に戻らねば。

「そのままサボるなよ!」

フラグな気がする!
 
 
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