触るるなかれ!
「おい」
ハルの腕を掴んで阻んだのは。
「女子はそこまで確認してねーだろうが」
ネロは眉を寄せて睨みを利かせながら。
「フェアじゃない」
思わぬ助っ人にレッドはそっと瞼を開いた後目を丸くした。その一方でハルが「痛い」とだけ告げるとネロはようやく手を離して解放。脇に挟んでいたクリップボードを持ち直したハルは視線を寄越さないまま用紙に書き留めながら。
「減点はしないけどいい行動とは言えない」
淡々とした口調で。
「気をつけて」
ネロが無言で睨む中ハルは次の席へ移動した。
「……何これ」
「よくぞ聞いてく──ぁふん!」
「思う存分減点してくれ」
リオンがユウに制裁を下された気がする。
「えっと」
「……レッド」
ネロはじろりと視線鋭く向けて。
「後で話がある」
ですよねー……
二時限目を無事に終えて──中休み。
「はああぁあ!?」
階段の踊り場。
「おっま……お前、……マジかよ……!?」
事情を話したらこの反応です。
「いくら何でもお前天然だからって」
「これまでに例を見ない新しいパターンだわ」
「えーでも僕たまにブラしないし……あだっ!」
「それはしろバカ!」