触るるなかれ!



水飛沫を上げて華麗に果敢に。双眸の灯が尾を引いて恐ろしい速さで接近した後レッドを捕らえていたマルスとロイをマンツーマンで蹴り飛ばす。

「ふふん!」

ローナは腰に手を当てながら。

「正義のヒーローは遅れてやってくるのだ!」

途端ネロの拘束も解かれた。

「、シフォン!」
「あの子ったら先生に追い回されていたのよ」

ユウを蔓の鞭で拘束しながらシフォン。

「でもちゃんとお使いできたでしょ!」
「ローナ……!」

レッドはきらきらと目を輝かせる。一見して感動的な場面のように見えるがローナが手にしているのは保健室から拝借した新品の下着である。

「──花びらの舞!」

シフォンがユウを解放すると同時に叫ぶと辺りに赤や桃色の花弁が散らばり舞い上がった。

「わああっ!?」
「一体これは何なのだ!?」
「今の内に穿いてしまいなさい」

目眩し──皆の視界を妨げている内にと促すシフォンにレッドはこくりと頷いてローナから下着を受け取るべく一歩踏み出す。

「ぁ」

ズボンの裾を踏んでしまったが最後。

「……あっ」

本当に。

「ほにゃあぁああ!?」


うちの主人ときたら!


「ね、ねーねーレッド僕見てないよ?」
「私も見てないわ」
「見てない見てない」

三人が囲んで励ます中で。

四時限目の体育は賢明に見学を選び時間いっぱいレッドが膝を抱えていたのは言うまでもない話。



end.
 
 
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