触るるなかれ!
怖い怖い怖い息が荒い!
「レッドに触んじゃねえ!」
綺麗な回し蹴りがこれまたクリーンヒット。
「あはんっ!」
「何をしてるんだ?」
「さっさと着替えろよ」
こんな短いやり取りの間に殆どの男子が着替え終わってしまっている。まあ体操着に着替えるだけなのだから時間を取られるはずもないが。
怪訝そうなフォックスとファルコを目にレッドは乾いた笑みを浮かべながらレッドはゆっくりと制服のシャツのボタンを外し始める。その間に他の皆が教室を出て行ってくれることを切に願いながら──けれどそんな策も死角から伸びて来た手によって呆気なく阻まれる。
「リオンって目だけはいいからさぁ」
「顔もいいぞ!」
「黙れ」
ネロがリオンを踏み付ける。
「か、カービィ」
「さっきからガードも固いことですし?」
振り払おうにも適うはずがない。
「ぐっ!?」
飛び出そうとしたネロも異変に気付く。
「ユウ、てめえっ!」
「着替えるだけの話だろう」
彼の念力による拘束で動けない。
「そーそー」
カービィは軽薄に笑って同意しながらレッドの両手を容易く片手で束ねてしまうと空いた手でベルトを外しにかかった。カチャカチャと擦れる音が生々しくレッドは思わず腰を引く。
「や、っ触ら」
「なになにどーしたの?」
焦れば焦るほど相手の思う壺のようで。
「レッド!」
いよいよズボンにカービィの手が掛けられる。
「触らないでええっ!」