非モテ男子の非日常
まさか校長室だったとは──ミカゲは要所要所吃りながらも事の顛末を事細かに話した。
「……自慢?」
案の定。
「ただ単に史上最強のモテ期が来たってだけの話でしょ」
「いやいやそれがなんか違和感がぁ……!」
「……他に何か変わった所は?」
ミカゲは涙目になりながらも思い出す。
「……あれ」
気付く。
「校長は普通の目の色をしているで御座る」
目。
「あいつだな」
「だから僕のこと見てビビってたわけ」
ミカゲは疑問符を浮かべる。
「犯人が分かった」
「そ、それはつまり」
「待っていろ」
お留守番。
「相手が少しばかり特殊だからな」
「絶対に出るなよ」
有無を言わせず無慈悲にも──ぱたんと。
「うぅ……」
こうなると途端に心細くて仕方ない。そもそも校長室なんてお高くとまった場所で身分不相応の自分が落ち着けるはずがないしどう待機するのが正解かも分からない。頼る相手を間違えたという話でもなさそうな様子だったのでそこは信用してもよさそうではあるが──
「はひっ」
扉を叩く音。……戻ってきた?