非モテ男子の非日常



冷や汗たらり。……いやいやいや! 紛うことなく目が本気と書いてマジと読むそれェェ!

「す、す、すみません……」

身長差が刺さる。

「抜け駆けは狡いよ。マーク」

助けるどころか何故か追い討ちをかけるようにしてシュルクがその反対側に手を付くのだから顔も青くなる。

「二人で仲良くって話し合ったのに」
「ふふ。そうだっけ?」


ぞわぞわぞわ。


「あっ」

校内では常にオフモードを貫いているが寒気を感じた次の瞬間体が動いていた。流石は忍者、さっと身を屈めて腕の下を潜り抜けたかと思うと疾風の如く速さで逃走。……おかしい。

彼ら二人の矢印は確かに互いに正確に向けられていたはず。磁場が狂った? ともかく百合の間に挟まる趣味はないで御座るよ拙者は!

「、?」

エス組の教室の戸を開いた途端に──視線。

明らかに話し声が止んで分かりやすくミカゲに注目が集まっている。何かやっちゃいましたかと電子書籍の主人公よろしくといった台詞を心の中で呟き、おどおどしながら自分の席へ。

まままままさかイジメのターゲットに? 拙者のスクールライフ終了のお知らせ?

「おい」

フラグ回収乙ーッ!
 
 
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