非モテ男子の非日常



「パックマン」

正門を通ろうとして呼び止められた。

「目に余る行為だ。罰せられたくないのなら即刻彼から離れることを推奨する」
「……はぁ?」

歩み寄ってきたのはロックマンである。パックマンはようやく腕を離すと腰に手を当てながら不快そうに眉を寄せて。

「パックマン知ってるよ。嫉妬したんだろ」
「余計な口答えは減点対象だが」
「はぁぁ!?」

痴話喧嘩というやつだろうか? ミカゲは二人が口論になっている隙にそそくさと退散。


「おはよう」

下駄箱に差し掛かったところで今度はシュルクとマークに遭遇。

「ロックマンとパックマンが喧嘩していたよ」
「朝からご苦労なことで御座るよ」

苦笑いを浮かべながら靴を履き替えようとして、下駄箱の中に封のされた手紙を見つける。

「どうしたの?」

隣はマークの下駄箱である。

「これ」

彼は女子生徒から人気があるので恐らく手紙を入れ間違えたのだろう。落ち込むも何もよくあることなので慣れてしまったしミカゲが手紙を渡して普通に靴を履き替えていると。

「ミカゲ」

差す影に振り向けば──お馴染みの壁ドン。

「嫉妬してほしいのかい?」
 
 
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