解釈違いにも程があるっ!



──放課後。

「遂に。この時が来てしまったな……」

ひょいひょいと壁の後ろから顔を覗かせる中で発言したのは一番下のリオン。二番目三番目にピーチとデイジーが続いて四番目は取巻き三人組。ミカゲはその中には混ざらずただ彼らの視線の先にある生徒会室をちらりと見ては不安で胸が張り裂けそうなあまり溜め息を漏らした。

番長の方はさておき、生徒会長であるロックマンは個性派揃いのエス組を先陣切って導くいわゆる先導者。数々のテストやクラスマッチでエス組が優秀な成績を収めてきたのは彼の活躍があってこそと言っても過言ではない。

それだけに憧れの気持ちがあったのである。人様の色恋沙汰に口出し厳禁なのは承知の上だがそれにしたってその相手が番長だなんて趣味が悪いにも程がある……あまりにも解釈違い……!

「何してるの?」
「ひょうッ!」

どうしてこうも奇声が個性的なんだ。

「おお、ルーティ殿!」
「ここで幼馴染みの参戦ときたわけね!」

リオンとピーチが口々に食い付く。

「ええっと」
「ルー君は何も知らないんですか?」

ダークファルコが訊ねる。ルーティは彼らが直前まで視線を注いでいた生徒会室を見て。

「……スピカとロックマンのこと?」

どうやら知っているらしい。

「ルーティ!」

ミカゲは勢いよく肩を掴んで。

「幼馴染みで御座ろう……」

わなわなと震えながらぽつりとこぼす。次いで項垂れていた頭をばっと上げて、

「止めなくていいので御座るか……!?」
 
 
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