解釈違いにも程があるっ!



分かる。分かるとも。

お腐り申し上げる女子にとって番長と生徒会長というまたとない肩書きを持つ二人が犬猿の仲など格好の餌食というもの。歪み合う二人がいつしか互いの秘密基あられもない姿を晒し合い許し合い独占欲や執着心が湧いて──

「そこまで鮮明に想像できるならいっそ歓迎しているんじゃ」
「寧ろ素質があるわね!」

ひいっ! とミカゲは体を大袈裟に跳ねた。

「同席していいかしら!」

和食セットを乗せたお盆を手に生き生きと声を張り上げるのはすま組のピーチ。その後ろではデイジーがカレーパンを片手に手を振って。

「詳しく聞かせてちょうだい!」
「ぅぉあちっ!」

ピーチが勢いよくテーブルにお盆を置けば味噌汁が跳ねてミカゲは情けない声を上げる。

「ちょっと。落ち着きなさいよ」
「これが落ち着いてなんかいられないわよ!」

ピーチの目はキラキラと輝いている。

「ああ……どっちが受けかしら、攻めかしら!」
「まるで水を得た魚だね」
「ピーチったら朝からずっとこうなのよ」

曰くデイジーは今の今まで付き合わされていたらしい。素質はあれど彼女は腐の付くそれと呼ぶにはまだまだといった具合らしく今回の件も何がそんなに楽しいのやらといった様子で。

「王道はロクスピだけど、私は硬派な彼が攻められるパターンも大歓迎だわ……!」
「かかか会長はスパダリ故に右配置はあまりに地雷で御座るうう!」
「しっかり想像してるよね」
 
 
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