演劇上等!~シンデレラ編~



勢いに任せて飛び出したのはスピカである。黄色い電気鼠ポケモンの衣装を着せられている辺り、どうやら彼が鼠役らしい。

「ちょうどいいや。こいつを馬に」
「お断りだッ!」

『魔法使いは魔法の杖で鼠を』

「強制か!」
「ではでは、失礼しまして」

ゆっくりと歩み寄るピチカ。

「す、ストップ。なあ、今度は生身の人間だからさっきよりかそっと優しく、な?」
「エンターテイメントでしょ?」
「お前は黙ってろ!」

スピカはカービィを睨み付ける。

「大丈夫、泥船に乗った気でいなよ!」
「沈むだろ!」
「というわけで――照明!」

ぱっと舞台は暗転。


「あだっ!」


次に舞台がライトアップされると、舞台端で頭を抱えてうずくまるスピカの姿があった。ちゃっかり衣装も変わっている。

「後はシンデレラだけだね!」
「昨日のプリン食べとくべきだったなぁ」
 
 
8/15ページ
スキ