演劇上等!~シンデレラ編~
勢いに任せて飛び出したのはスピカである。黄色い電気鼠ポケモンの衣装を着せられている辺り、どうやら彼が鼠役らしい。
「ちょうどいいや。こいつを馬に」
「お断りだッ!」
『魔法使いは魔法の杖で鼠を』
「強制か!」
「ではでは、失礼しまして」
ゆっくりと歩み寄るピチカ。
「す、ストップ。なあ、今度は生身の人間だからさっきよりかそっと優しく、な?」
「エンターテイメントでしょ?」
「お前は黙ってろ!」
スピカはカービィを睨み付ける。
「大丈夫、泥船に乗った気でいなよ!」
「沈むだろ!」
「というわけで――照明!」
ぱっと舞台は暗転。
「あだっ!」
次に舞台がライトアップされると、舞台端で頭を抱えてうずくまるスピカの姿があった。ちゃっかり衣装も変わっている。
「後はシンデレラだけだね!」
「昨日のプリン食べとくべきだったなぁ」