演劇上等!~シンデレラ編~
魔法使いに扮していたのはピチカだった。
「えー、こほん」
ピチカは気を取り直すと、
「シンデレラ、貴方はいつも仕事を頑張っている、とても良い子……じゃないけど」
舞台端でくすくすと笑うマルスとロイ。
「ご褒美、と称した僕の独断と偏見で舞踏会へ行かせてあげましょう!」
カービィはむすっとして。
「拒否権は?」
「物語の進行上、ありませんっ」
いわゆる強制送還である。
「で、どうすんの?」
「まずはカボチャを持ってくるのです」
カービィは箒を適当な場所に立て掛けておくと、何故か早足で舞台端へ。
「あだっ」
一瞬変な声が聞こえたかと思えば、カービィはカボチャを手に戻ってきた。
「ほんと、可愛くないお姫さまっ」
舞台端で痛そうに頭を抱えているマルスとロイを横目に、ピチカは盛大な溜め息。