演劇上等!~シンデレラ編~
――演劇会、当日。
全校生徒は次々と講堂に集まり、用意された椅子に腰掛けていく。今回は親御さんも観に来ているのだから驚きだ。
「今回は“シンデレラ”らしいじゃない」
サムスはすっと足を組んで。
「……不服だわ」
ピーチはぽつりと呟く。
「私だって、どうせ役やるならお姫様の方がよかったわよ! なのに太郎って!」
そういえばピーチは前々回、演劇部に頭を下げられて“桃太郎”の演劇に主役として出ていたのだった。サムスは溜め息。
「その代わり、夏休みの宿題の代理を彼らにしてもらってたじゃない」
「ぎくっ」
ピーチはさっと目を逸らして。
「演劇部も大変ねぇ……」
――間もなくして講堂内が暗転。女子副部長がスポットライトで照らし出されて。
「お待たせ致しました。これから、演劇部による“シンデレラ”が始まります。皆様、どうぞお楽しみください」
講堂内が静まり返る。
幕が開き、舞台がライトアップ。はてさて、今回はどんな物語になるのやら……