演劇上等!~シンデレラ編~



『シンデレラは奥の部屋から剣を持ってきました。あの時、奇跡的にも魔法が完全に解けていなかったのです』

「うわあああ何これ物騒すぎるうう」
「じゃ、鞘を借りるよ」

カービィはデデデから鞘を預かると、持ってきた剣をあっさりと納めた。

沈黙が訪れる。

「やったねたえちゃん!」
「おいやめろ」

『なんと、シンデレラの持ってきた剣がぴったりと鞘に納まったのです。王子様は、彼女があの時のお姫様だと確信しました』

「ならば、決着をつけようではないか」
「いやいや! 結婚だろ!」

メタナイトはぴたりと止まって。

「……結婚?」
「こいつ完全に忘れてたな」
「そっ。だからさ、メタナイト……」

カービィはメタナイトに歩み寄ると首に腕を回し、近距離でにこりと笑いかける。

「僕と結婚してくれる?」


つまりそのオチが狙いか!


「ばっ」

メタナイトは途端に顔を真っ赤にしたが。

「……ば、バカ……っ」

『それからシンデレラは王子様と結婚して、いつまでも幸せに暮らしました』


拍手喝采の中、舞台は幕を下ろした。

しかし残念ながらこの演劇の様子を収めたDVDは、メタナイトの手によって発売禁止になったとか何とか。



end.
 
 
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