演劇上等!~シンデレラ編~
『シンデレラは奥の部屋から剣を持ってきました。あの時、奇跡的にも魔法が完全に解けていなかったのです』
「うわあああ何これ物騒すぎるうう」
「じゃ、鞘を借りるよ」
カービィはデデデから鞘を預かると、持ってきた剣をあっさりと納めた。
沈黙が訪れる。
「やったねたえちゃん!」
「おいやめろ」
『なんと、シンデレラの持ってきた剣がぴったりと鞘に納まったのです。王子様は、彼女があの時のお姫様だと確信しました』
「ならば、決着をつけようではないか」
「いやいや! 結婚だろ!」
メタナイトはぴたりと止まって。
「……結婚?」
「こいつ完全に忘れてたな」
「そっ。だからさ、メタナイト……」
カービィはメタナイトに歩み寄ると首に腕を回し、近距離でにこりと笑いかける。
「僕と結婚してくれる?」
つまりそのオチが狙いか!
「ばっ」
メタナイトは途端に顔を真っ赤にしたが。
「……ば、バカ……っ」
『それからシンデレラは王子様と結婚して、いつまでも幸せに暮らしました』
拍手喝采の中、舞台は幕を下ろした。
しかし残念ながらこの演劇の様子を収めたDVDは、メタナイトの手によって発売禁止になったとか何とか。
end.
15/15ページ