演劇上等!~シンデレラ編~
『王子様、回り込んでの薙ぎ払い。華麗に宙を舞ってシンデレラは攻撃を躱します』
「もはや何のお芝居だよ!」
ロイの言う通りである。
とはいえ、講堂内のあちらこちらでは声援が上がっている為、生徒たちは少なくともこの舞台を楽しんでくれている模様。
まあ、本来の物語とはかけ離れているが。
『その時、鐘が鳴り響きました』
「……あっ」
『十二時を告げる鐘です。このままではシンデレラの魔法が解けてしまいます』
「やば、そろそろ帰らないと。じゃっ」
「待て! 逃げるのか!」
メタナイトの言葉も聞かず、カービィは舞台端へ駆け出す。その際、何かを落としたらしくデデデがそれを拾い上げて。
「王子、これを」
「……それはなんだ」
「鞘です」
「んなもん落とすかああ!」
『こうして王子様は、鞘の持ち主であるシンデレラと結婚することを誓うのでした』
「無茶苦茶だ……っ」