演劇上等!~シンデレラ編~



『王子様、回り込んでの薙ぎ払い。華麗に宙を舞ってシンデレラは攻撃を躱します』

「もはや何のお芝居だよ!」

ロイの言う通りである。

とはいえ、講堂内のあちらこちらでは声援が上がっている為、生徒たちは少なくともこの舞台を楽しんでくれている模様。

まあ、本来の物語とはかけ離れているが。

『その時、鐘が鳴り響きました』

「……あっ」

『十二時を告げる鐘です。このままではシンデレラの魔法が解けてしまいます』

「やば、そろそろ帰らないと。じゃっ」
「待て! 逃げるのか!」

メタナイトの言葉も聞かず、カービィは舞台端へ駆け出す。その際、何かを落としたらしくデデデがそれを拾い上げて。

「王子、これを」
「……それはなんだ」
「鞘です」
「んなもん落とすかああ!」

『こうして王子様は、鞘の持ち主であるシンデレラと結婚することを誓うのでした』

「無茶苦茶だ……っ」
 
 
13/15ページ
スキ