王子の機嫌を損ねたら



「うわあっ!?」
「悪いな」

思いの外あっさりとピットを後ろから捕らえたのはブラピである。他三人は思わず振り向いたが、パルテナはくすっと笑って。

「ブラピも人の体というものに興味が湧いてきていたようでしたから……」
「美味しくないですって!」

喚くピットだが、仕方ない。

「尊い犠牲だった」
「こら、手を合わせるなあ! ちょ、」

ロイ、カービィ、ルーティの三人はわざとらしく泣き真似をしながら駆け出して。


「いやぁああぁあ!?」


廊下に木霊する、ピットの悲鳴。

「このパターンからいくと、次また誰か捕まるんじゃねーか?」
「ばっ、変なこと言わないでよ」
「そうだよロイ。今は急いで放送室に」

不意にルーティは何者かに腕を掴まれ、立ち止まって。恐る恐る、振り返る。

そこにいたのは意外にも、ダークウルフである。その後ろからひょいと遠慮がちに顔を覗かせたのはダー組番長、スピカで。
 
 
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