王子の機嫌を損ねたら
大変なことになってしまった。
「っ……あいつに言わねえと!」
これ以上何かやらかす前に、マルスに真実を伝えなくては。出入り口が塞がれる前に、とロイは教室を飛び出す。
「僕らで信用するわけ?」
次いで飛び出してきたカービィが、ロイの隣を走る。彼らは今のところ狙われてないので、抜け出しやすかったのだ。
「ボクも行く!」
遅れてやって来たのはピット、そしてルーティである。彼らなら誠実だし、さすがのマルスも信じてくれるはず。
「よっしゃ、なら放送室に直こ」
「ピット?」
この声。四人の前に立ちはだかったのは、エス組のパルテナである。しかも何故かにこにことピットを見つめていて。
「ぱ、パルテナ様?」
「面白いことになってるじゃありませんか。私も、目を見張るものがあります」
何か企んでいる。
彼女はあれで女神様だ。何を仕掛けてくるのか……四人は思わず警戒し、構える。