王子の機嫌を損ねたら



「しっ仕方ねーだろ」

歴史の授業を無事終えて、昼休み。

「昨日、あいつからメールが来て……俺も、今日になるまで知らなかったし」

机を囲まれ、ファルコはぼそぼそと語りながら教科書やノートを机の下に仕舞う。

「でっでも大丈夫だろ!」
「下手な真似しなきゃいいんだし!」

ディディーとトゥーンが口々にフォローするが、確かにその通り。急に水をぶっかけられたり、身体測定でも無い限り、変なことにはならないはず――


「皆さーん!」


校内放送から聞こえてきたのは、マルスの声である。誰もが嫌な予感がした。

「すま組男子は現在、全員下着を穿いてません! 襲……仕返しするなら今です!」

声音は怪しく、がらりと変わって。


「この僕が許す。以上」


しまったあああ!?
 
 
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