王子の機嫌を損ねたら
「どういう趣味だよ!」
「趣味?」
マルスははっと笑って。
「訂正してほしいね。これはお仕置きさ」
ロイとカービィは顔を見合わせる。
――そういえばマルス、何でか知んねーけど音楽室に遅れて入ってきたな。あん時、すっげー睨まれてたけどもしかして。
「ちょ、ちょっと待て。それは」
遮るように鳴り響く、チャイム。
「次の授業は?」
「やっべ、歴史だ!」
担当教師、ガノンドロフを怒らせるわけにはいかない。ロイが声を上げると、マルスを除いた全員は教室を目指し駆け出して。
「俺、覚え無いんだけど!」
「っはあ!? ロイじゃないわけ!」
先頭を走っていたロイとカービィはばっと振り返る。誰だ、誰があいつに嘘を。
「……ファルコ?」
お前かー!