王子の機嫌を損ねたら
「はー、やっと終わった……」
授業を終えてシャワーを浴びてから、男子と女子はそれぞれのプール用更衣室へ。
ルーティはロッカーの前まで向かい、戸を開いてタオルを取り出す。髪を拭いていると、不意に大きな物音が聞こえて。
「また貴様か」
ルーティが振り返ると、ユウがリオンを踏み付けていて。……また何かしたのか。
「ま……っわ、私じゃな……」
「貴様しかいないだろう」
「ないっ!」
次に声を上げたのはカービィである。
「ちょ、え! 替えの下着っ」
「俺のもない!」
「は、冗談だろ!?」
ルーティも急いでナップサックの中を漁ってみるが、確かに下着だけがない。
それは彼だけではなく、どうやら男子全員が被害者のようで。水着のまま、制服を着るわけにも……しかし、一体誰がこんな。