王子の機嫌を損ねたら
「プールとか早くね!?」
三時間目、すま組は体育の授業である。
「夏を先取りだ! 準備体操!」
本当に、この学校は無茶苦茶だ。
これから梅雨の時期だというのに、今回の体育はプール。晴天に向かって声を上げるロイだが、ちゃっかり水着姿である。
「これ出ないと単位危ないもんねぇ」
「うっ」
屈伸運動をしながらカービィが笑うと、ロイは誤魔化すようにそっぽを向いて。
「つーかマルスは?」
「見学なのデス」
ロイが訊ねると、ロボットはプール近くにある、日除け用の屋根の下のベンチに腰を下ろしている、マルスを指差した。
「ずっりーの」
「こらそこ! サボるんじゃない!」
「へーい」
スネークに注意され、渋々と準備体操を続けるロイ。マルスはそれまで読書をしていたが、視線が外れればにやりと笑って。