王子の機嫌を損ねたら
「らめえ! とか久々に聞いたな」
「僕も」
「一体いつ誰に言わせたの」
口々に話すロイとカービィをジト目で見つめていたその時、ようやく目的の放送室を見つけて。三人は立ち止まり、息を弾ませながら顔を見合わせる。
「今更だけど、罠って感じしない?」
ドアノブに手を掛けるロイを見つめ、カービィ。確かに、“今のマルスなら”無防備で待ち構えているわけがない。
「ばーか」
ロイは笑って、
「ここは放送室だぜ?」
扉を押し開けば、そこにマルスはいた。
放送用のマイクの前に立っていた彼は、三人に視線を移すと微笑を浮かべて。
「やあ。待ちくたびれちゃったよ」
それはあんたが変な奴らを!
……とまあ突っ込みはさておき、早急に事実を伝えて下着を返してもらわねば。
「マルス、あのな」
ロイが口を開いた、その時。