演劇上等!~ブレーメンの音楽隊編~



「ひっ」

ドンキーは小さく声を上げ、後退。

どうしたんだと他三人も駆け寄り、窓から中を覗いてみる。――そこにいたのは。

『動物たちが気になって中を覗いてみると、そこには泥棒たちがご馳走を食べながら金貨を分けているではありませんか』

「金貨といっても中身はチョコか」
「ふん。つまらん役だな」
「何で俺がこの役なんだ……」

テーブルを囲んで椅子に腰掛けている泥棒役はガノンドロフ、レオン、ネロの三人。


ガチ過ぎる。


「命を泥棒したんとちゃうか」
「悪役のオンパレードだな! 燃える!」

顔が引き攣っているドンキーに対し、リオンは瞳に炎を宿らせ、ぐっと拳を握り。

「あれ、本当に驚くの?」

既に諦めムードのピット。

「レオンの場合、嘲笑いそうだけどね」

腕を組みつつ、窓の横の壁に背を預けるパンサー。ドンキーは溜め息を吐き出して。

――やるしかないやろ!
 
 
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