演劇上等!~ブレーメンの音楽隊編~
次にライトアップされると、ドンキーとリオンは再び舞台袖から歩いてきて。
『二匹が道を歩いていると』
向かい側の舞台袖から現れたのは、赤い薔薇を口に銜えたパンサー。格好を付けて髪を掻き上げる彼、どうやら猫役らしい。
『同じような境遇の猫に出会いました』
「スーツで決めてんねんけど」
白のスーツを着込んで赤のネクタイを締めた彼が、同じ境遇の持ち主には見えない。
「御主人様に嫌われちゃってね……」
「歌舞伎町に帰れ」
「しがない黒猫を拾ってくれるかい?」
「いらん」
『こうしてロバは猫も連れて』
「勝手に話を進めるな!」
――とはいえ話が進まないので結局。
『引き続きブレーメンを目指すのでした』
舞台は暗転。
「私がドンキー殿に跨がり、パンサー殿が私の上に……こっこれは燃えるな」
「3Pは久しぶりだなぁ」
「一応題材は童話やで」