演劇上等!~ブレーメンの音楽隊編~
「家畜共が。我々に楯突くのか」
腕を組み、にやりと不適な笑みを浮かべる最大の敵――魔王ことガノンドロフ。
「少しは楽しめそうだな」
「楽しくねえよ」
引き続き含み笑いを浮かべるレオンと、この理解不能な状況に呆れてジト目のネロ。
「勝てる見込みはあるのか?」
「何言うてんねん。こっちは四で、あっちは三。人数的に見てもまあ余裕やろ」
訊ねるパンサーに、ドンキーはふっと笑みを溢して余裕の構え。ガノンドロフを二人で叩けば……そう思っていたのだが。
「けどさ、あれ」
パンサーが指差した先を見てみる。
「お手」
「わんっ」
「飼い慣らされとるぅぅ!?」
レオンの前に跪き、差し出された右手のひらの上に左手の拳を乗せる、リオン。
「くく、いいこだ……褒美にミルクを」
「あかーん!」
「新しい玩具で遊んでください……」
「おまわりさーん!」
突っ込みに息を切らす男、ドンキー。