演劇上等!~ブレーメンの音楽隊編~
ようやく舞台がライトアップされると、それまで積み重なっていた状態だった動物役の四人はぱっと起き上がり、構えて。
「ええか? 俺はあくまでも台本通りにこの演劇を続ける。……つまり」
ドンキーは泥棒役の三人を指差し、
「あんたら三人、舞台から下りてもらわなあかんっちゅーことや!」
堂々の宣戦布告。
乱闘は免れないだろう。それ自体は舞台端で見守っている、演劇部も諦めている。
「舞台を汚す悪どもよ!」
声を上げるピット。
「音にも聞け! 刮目せよ!」
まるで戦隊のように横並びになり、構える四人。……打ち合わせでもしたのか。
「我ら!」
四人は同時に拳を振り上げて。
「ブレーメンの音楽隊!」
何故かここまで息ぴったりな四人に、生徒達も釣られて拍手を送る。所々で応援の声も上がり、何が何だかさっぱり。