演劇上等!~ブレーメンの音楽隊編~



「おおっ、出てきた!」

ネロが家の中から出てくると、ピットは嬉しそうな声を上げて。一方のネロは腕を組みつつ奇妙なタワーを見上げ、一言。

「何してんだ?」

ごもっともです!

「はよ、台本通りにしてくれると助かる」
「呼んでくるか?」

両手両足が震えながらも他三人を支えているドンキーに哀れみの眼差しを向けながら、ネロは親指で家を指し示す。

「え、無理。呼ばないで」
「阿呆! 拒否ってどないすんねん!」
「だってさぁ、恥曝しだよ?」
「あんた、周りをよう見てから言え」

舞台に上がった時点で恥曝し。

「生で公開羞恥、だと……滾(たぎ)る!」
「やっ、滾らんといて!」

当たるから(背中に)。

こんな具合に騒いでいると、ガノンドロフとレオンが家の中から出てきて。
 
 
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