演劇上等!~ブレーメンの音楽隊編~
『ご馳走を食べたい動物たちは、泥棒たちを追い出すために一計を案じました』
講堂内では笑いの渦が巻き起こり。
見れば、窓の前でドンキーの上にリオンが馬乗りに、そしてリオンがパンサーを、パンサーがピットをそれぞれ肩車していたのである。……馬役だから馬乗りなのか。
「いくでぇ! ひひぃん!」
「わふー!」
「リオン、それちゃう」
拳を振り上げるリオンをドンキーがすかさず突っ込み。引き続きパンサーが、
「にゃーおっ」
「ぱーたぱた!」
「振り落とすで」
「うげっ! こ、コケコッコー!」
ふざけるピットだったが、ドンキーにひと睨みされると慌てて鶏の声を真似て。
『泥棒たちを驚かして追い出してしまおうと、一斉に大声で鳴いたのです』
「うわ、何か窓の外にいる」
「貴様が見てこい」
「俺かよ」
家の中からその様子を窺っていたレオンは、足を組み直して。命令されたネロは渋々と立ち上がり、のろのろと家の外へ。