頑張れ番長!
「相変わらずですね」
わざとなのか偶然なのか。クッパの上を踏んで渡り、スピカの前に現れたのはダークウルフである。昼食は購買部で買ったらしく、手提げ袋を片手に持っていて。
「ご一緒しても宜しいですか?」
「……勝手にしろ」
にこやかに訊ねるダークウルフに対し、スピカはぷいと顔を背けてしまう。
それが性分だと知っているのでダークウルフは突っ込まず、向かい側に座って。
「はい、どうぞ」
ダークウルフが手提げ袋の中から取り出したのは、パック牛乳。スパゲッティを食べていたスピカの手がぴたりと止まった。
「気にしているのなら飲むべきです」
「な、何のことだ」
スピカはぎこちなく顔を背ける。
ダークウルフは勝手にパック牛乳の差し込み口にストローを差すと、差し出して。
「ほら」
スピカはちらりとパック牛乳を横目に捉えるも、すぐに逸らしてしまい。――背は伸ばしたいのだが、残念ながら牛乳は苦手。
飲みたくな……飲めないのだ。