頑張れ番長!



――所変わって、食堂。

「また会ったな」

順番が来た途端にテーブルを平手で強く叩き、食堂のおばちゃんを睨み上げる。

「いつもありがとうねぇ」
「勘違いすんな。俺はたまたま小腹が」
「スパゲッティでいいかい?」
「大盛りで頼む」

はっと軽く笑って、偉そうに腕を組むのは先程の男。本名、スピカ・リー。

実は彼こそが捻くれ者ばかりのダー組を仕切っている、通称ツンデレ番長なのだ。

「おまちどおさま。熱いよ」
「余計なお世話だ」

おばちゃんがスパゲッティを盛った皿を差し出しても、つんとした態度で。受け取り、フォークも手に取って振り返る。

「貴様がダー組の番長なのか?」

行く手を遮るが如く立ちはだかったのはクッパである。だから何、と言いたげなスピカの体を、舐め回すように見つめて。

「噂通り。……小さいな」


小さい?


それは禁句だった。刹那、スピカの頬を予告するようにばちっと黒い稲妻が駆ける。
 
 
2/9ページ
スキ