愛を込めて手作りを
それを聞くとマスターは目を細めた。
「趣旨は伝わっているだろう」
「悩む理由が分からない」
大した話じゃないなと判断してスピカは小さく息をつきながら立ち上がると膝を軽くはたいて。
「創造神サマに不可能があったか?」
言葉を投げ掛ければ。
マスターは溜め息を吐いた。
「無論その通りだ」
傾けていた体を起こし組んだ脚を下ろしながら指を鳴らす──するとどうだろう。突如としてスピカの目の前に現れた青白い光の玉が瞬く間に膨張したかと思うと纏っていた光を弾き出しその中から薄水色の包装紙と青いリボンで飾り付けられた四角い箱が姿を現したのだ。
「俺に作れないものはない」
浮遊するそれを両手で受け取り振り返れば立ち上がった他の三人も形は異なれど似た物を受け取った様で。怪訝そうに向けられる視線に従いリボンを解いて包装紙を取り払い蓋を開けてみればこれまた可愛らしい、色とりどりのマカロンとマシュマロの詰め合わせが顔を出す。
「すげぇー」
ダークフォックスは中に入っていたガナッシュを取り出すと不用心に口に放り込んだ。
「うんま!」
「ハイテクですね」
ダークファルコは感心している。
「言っただろう」
「じゃあ何が不満なんだよ」
スピカは小さく息を吐いて見つめる。
「何でも作れるくせに」