愛を込めて手作りを




亜空間。研究施設を模した黒塗りの基地。

王の間と密かに称されるその場所で任務の報告を終えた影の戦士らは主たる双子の次の言葉を頭を垂れてじっと待っていた。

「いいんじゃない?」
「悪くない」

口々に話すが安堵の息も許されない。彼らの機嫌の良し悪しというものは季節の移り変わりよりも唐突で片時も油断は許されないのだ。

「ご苦労だった」
「お前たち下がっていーよ」

兄の創造神マスターハンドとその双子の弟破壊神クレイジーハンド。玉座に腰を下ろして脚を組むマスターが一枚の用紙を手に言うとクレイジーは影の戦士らの解放を許したようだった。

影の戦士──基スピカ、ダークフォックス、ダークファルコ、ダークウルフとこれまた変わり映えのしないいつもの面子はこの場からさっさと退散するべく腰を上げようとしたが何故か「いや」とマスターは遮るように口を開いて。

「聞きたいことがあるからな」


ぎくり。


「クレイジー」

マスターは用紙を手渡す。

「お前は実験の続きを」
「えー」
「そう時間は掛からない」

胸騒ぎを他所に冷たく視線を下す兄に。

「……程々にね?」
 
 
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