なんてったってシスター!
……、…………!?
「どうかな?」
ピチカは用紙をダークマルスに差し出す。
「……それでいいの?」
「躊躇うの?」
テーブルの前の椅子に腰を下ろしていたピチカは足をぶらぶら揺らし人差し指を顎に当てながら。
「だって、その人たちの親玉さんがものすごーく悪い人なんでしょ? 僕たちX部隊なら遠回りしてでも悪い人だけ倒しにいくけどそうしなくてもいいのがダークシャドウだよね?」
一同沈黙。
「殺したくないの?」
両手を脚と脚の間に挟んできょとんと。
「ダークシャドウなのに?」
ああ。
めちゃくちゃ似てる。
「リーダーが言うのなら」
ダークマルスは受け取った用紙に唇を触れて微笑するとくるりと背を向けて歩き出した。続けてダークアイクとダークリンクが一瞥くれながらもその後を追い、最後に残されたダークロイだけが至極申し訳なさそうに深くお辞儀して逃げるように退散。……食堂の扉が閉まる。
「間違ってたかなぁ」
「いや全然!」
ダークウルフは慌てて即座に否定する。
「その、……正直、驚きました」
「どうして?」
「良くも悪くもイメージがあったので」
そう言うとピチカは何処か遠くを見つめながら。
「ただの女の子じゃ戦士は務まらないからね」