なんてったってシスター!



屋敷の造りは殆ど同じである。玄関入ってすぐ表世界のエックス邸の間取り図を反転させただけだなと即座に見抜いた。それはそれとしてもせっかく綺麗な内装なのに照明は極限まで薄暗く全体的にどんよりとした雰囲気。よく見れば確かにプリムを筆頭とした亜空軍が終始無言で竹箒や布巾を使って掃除をしている……


「X部隊」


何者かがぽつりと呟いたが刹那。

「!」

突き刺さる。

「リーダーの代役だ」

ダークウルフが言うと刺さるような視線基殺気というものはあっさりと失せた。思わず体を硬直させていたピチカだったが恐る恐る彼の視線の先を辿りその正体を目にする。

「……トゥーン?」

言った後で。違うものだと悟る。

「何故」
「リーダーは療養中だ」
「療養なら此処ですればいい」
「分かってくれ」

ダークトゥーンはピチカを見つめている。

「こ、こんにちはー」

そうは言ったが無反応である。

「分かった」

ダークトゥーンは言うや否やその姿を掻き消す。瞬きをする間もなく一瞬で。

「行きましょう」

ダークウルフが言うとピチカは頷いた。とはいえさっきの今ともなれば先頭を歩こうなんて気にもなれずこっそり隠れるように。ダークファルコとダークフォックスは密かに顔を見合わせる。
 
 
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