なんてったってシスター!
名乗りを挙げたのは──ピチカである。
「り……リーダーの妹さんが?」
「ごほげほがほッッ!」
呆気に取られるダークウルフと咽せるスピカ。
「ぴ、ピチカ……遊びじゃないんだぞ」
「知ってるもん!」
スピカが諭すとピチカは頬を膨らませる。
「普段からおにぃやにぃにがリーダーとして頑張ってるところちゃんと見てるもん。興味本位ってだけじゃなくて僕も力になりたいの!」
訴えかけるように前に出てこられたのでは強く返せない。というよりもスピカには要所要所が都合よく美化されて聞き取れたのか酷く感銘を受けた様子で両目を潤わせて。
「流石は俺の妹……分かった! 兄ちゃんが完治するまでダークシャドウの奴らを頼む!」
流石シスコン。
「やったー!」
ピチカは無邪気に喜んで感謝の意を示すように一度スピカに抱き付くと直ぐさま離れて。
「着替えてくるね!」
ああ……すっかりその流れに……
「……知らないよスピカ?」
「心配すんなって。俺の妹だぞ」
これはもうどう言ったところで駄目そう。
「ダークウルフ達はいいの?」
「面白そうではないですか」
「まあピチカちゃんなら誰も文句ないっしょ」
「妹さんのことは俺が守ります」
「任せたからな」
心配するだけ野暮といったところ。
「大丈夫かなぁ……」
「大丈夫だろ」
ルーティの肩をマリオがぽんと叩く。
「何よりピチカは──」