なんてったってシスター!
扉の閉まる音。……靴音が遠ざかる。
「……何してるのよ」
小さく口を開いたのはダークピチューだった。
「ただのエゴでなんであんな」
「大丈夫だった!?」
すかさず駆け付けてきたピチカが身を案じる。けれどそうして伸びてきた手のひらを当然のように跳ね除けてダークピチューは眉を寄せた。
「ふざけないで!」
「ふざけてなんかない!」
ピチカはぴしゃりと。
「当たり前でしょ!」
肩を掴んで訴えかける。
「家族なんだから!」
はっと目を開く。
「どんなに似てなくたって僕のこと嫌いだってにぃににとっては大事な家族だもん。だったら僕だって仲良くしたいし、……守りたいよ」
ダークピチューは黙っている。
「痛かったでしょ」
「……馬鹿」
「しんどかったよね」
「……本当に馬鹿」
ぽろぽろと零れ落ちる。
「強がらないでよ」
「、そっちこそ」
溢れ出す。
それはまるで糸が切れたように。
「痛かったわよ……苦しかったわよ……!」
「、僕も……僕もすごく、怖かった」
ピチカとダークピチューは抱き合いながら。
「すごく……怖かったよぉぉ……!」