なんてったってシスター!




別れとは──唐突にやってくるもの。

「嫌、です……嫌です……っ!」

ぎゅううっと力の限りその手を握って。

ぼろぼろと涙を零しながら。

「離れたく……ありません……!」
「……ウルフ」

消え入りそうな声で返したのはスピカだった。

「俺は……いつだって、貴方のそばに……!」
「……お前らを、……巻き込みたくない」

そう返して咳き込む弱々しい姿に。

眉を八の字に下げて。

「貴方にならっ! 巻き込まれたって──」
「もうやめようぜウルフ」
「ほら。行きましょう」

見兼ねたダークフォックスとダークファルコに引き剥がされるダークウルフは抵抗しながら。

「嫌だ離せっ、……リーダー!」

スピカは瞼を閉ざす。

「リーダー!」
「風邪だっつってんだろ!」


ハリセンで叩く音が爽快に響いた。


ここはエックス邸。マリオとルイージの部屋。

「いつ突っ込んでやろうかと思ったわ」
「寧ろ我慢してた方だよね」

頬に青筋を浮かべるマリオと苦笑いのルイージ。

「うちの奴らが、すまない……」

スピカも呆れて物が言えなかったらしい。

「だ、だって……だってぇぇぇ……」

ダークウルフは涙と鼻水で顔面を濡らしながら。

「風邪がうつるかもしれないという理由だけでリーダーと離れ離れになるなんてぇぇぇ……!」
 
 
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