バウンサー



人身売買。それも商品として扱う人間を競売にかけて愉しむ悪質なもの。闇オークションと称されるそれを対象に取り締まる任務を受けたまではいいが手掛かりを何一つ掴めないどころか任務に関わっていた一人であるユウが三日程前から行方を眩ませてしまっている。

全く関わりがないとは言い切れない上に任務の内容が内容なだけあってもしも囚われてしまっていたら──時間を掛ければ掛けるほど行方が分からなくなってしまう。苦肉の策として裏世界を牛耳っている亜空軍所属のダークシャドウ率いるスピカに協力を要請したが、それでも尚見つからない。敵団体がレイアーゼ都市の何処かに会場を持っていることまでは分かっているのだがこうも足取りが掴めないものだとは。

「うちの上司に頼むか?」
「冗談でしょ」

スピカが提案するもカービィが苦い顔をして断った。彼らなら瞬時に会場まで導いた上に行方知れずのユウの無事も保証してくれるだろうがダークシャドウの力を借りている時点でグレーなのにその上でとなると何を言われるものか。

「ほんまにあいつ何処行ったんや」
「行方不明になる直前まで話していたのは貴方ですよ」
「そこまで読み切れんわ」

ドンキーは小さく息を吐いて。

「そこのペットでさえ何も知らんのやで?」

親指で差した先にはリオンの姿。

「銃フェラは得意です!」
「気色悪ィんだよどっか行け!」

付き纏われているのはダークウルフ。

「リーダー!」
「自分でどうにかしろ」
「銃フェラってなんですか!」
「俺に聞くな!」
 
 
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