誰でもいいとは言ってない!



適当に大乱闘したり。日向ぼっこしてみたり。

……あれよあれよという間に。


九時になってしまった。


シャワーも浴びてきたし部屋も片付けたし変な匂いとかしないよね? 避妊具も潤滑ゼリーもあるし……まさか玩具とか小道具までは使ってこないと思ったから用意してないけど──いやいや何の心配をしているんだ。僕は。

どうせ結局来ないで後日忘れてましたとか適当なこと言ってくるに決まってるんだから、


コンコン。


「、!」

扉を叩く音にそれまでベッドの縁に腰を下ろしていたカービィは直立した。あわあわと部屋の中を慌ただしく見回してから小走りになりながら扉を開いてみれば約束したその人が顔を出す。

「よかった。起きてたね」
「そ、そりゃあまあ」
「待たせたかい?」
「、……全然」


心臓がうるさい。


「入っていいかな?」
「ど……どうぞ」

口の中が乾いて上手く喋れない。

「ありがとう」

本当に。約束の時間に。

「お邪魔します」

……ということは、……本当に。……
 
 
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