誰でもいいとは言ってない!
いやいや。
「マルスから聞いたよ」
口を挟んだのはラディスである。
「そうやって簡単に手を出すものじゃない」
「違いますぅ同意の上ですぅー」
唇を尖らせてこの態度。
「カービィ」
真剣な眼差しを向けられれば溜め息。
「別に僕が誰と何しようが勝手じゃない?」
誰だって満たされないものはある。温かいご飯を食べても風呂に入っても布団で眠っても。
それはある種の呪いのように。
いつまでも。いつまでも。
「空いた穴を埋めるみたいにさ。身体を重ねて、絡み合って──それが同意の上なら誰が口を出す必要もないでしょ。それなのにこっちの気も知らないで必死こいて阻止しようとするとか老害予備軍もいいとこだし理解できないししたくもない。それで正義の味方にでもなったつもり?」
そう言って向けられた視線に案の定舌打ちをしたクレシスにカービィは嘲笑するように。
「あは。そっか。……正義の味方だもんね?」
「カービィ!」
今にも掴み掛かりそうな勢いのクレシスを止めるべく腕を横に伸ばしたのはラディスである。
「やめなさい」
カービィは頬杖を付く。
「君も」
「そんなに言うなら」
目を細めて。
口元には余裕の笑みを浮かべながら。
「あんたが僕の相手をしてみせてよ」
紡ぐ。
「……リーダーさん」