誰でもいいとは言ってない!




朝。清々しい天気。

なかなか起きてこないなと思って来てみれば。

「あっ」

冷や汗を垂れる若き獅子が跨がる相手。

「いやあのマルスこれは誤解だから」
「なに言ってんの」

挑発的に首に腕を回して引き寄せる悪魔は。

「同意の上で。……でしょ?」


英雄王の怒鳴り声に。

皆が皆飛び起きたのは言うまでもなく。


「おい問題児」

食堂。一人黙々と食事をしていたところに扉を開けるなり早足で歩み寄ってテーブルを叩いて睨みあげたのはクレシスである。

「お前いい加減にしろよ」

桃色の髪を揺らして顔を上げたのはカービィ。

「……何が?」
「しらばっくれるな」

クレシスは眉間に皺を寄せる。

「てめぇ戦士としての自覚はあんのかよ」

年頃であれば致し方ない。元気が良いのは大いに結構。それだって限度というものはある。

まさか四六時中とまでは言わないが仕事が与えられていない時間何をしているものかと思えばふらっと街へ繰り出して前以てやり取りしていた相手と男女問わず、一定の年齢を上回らなければ立ち入る事を許されない施設へ足を運ぶ。

金銭的なやり取りが発生していないのはまだ許せるにしても特殊防衛部隊の一員ともあろうものが人目も憚らず何をしているのか。

「別にいいじゃん」

本人は膨れっ面でこの態度。

「問題は発生してないんだからさ」
 
 
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