演劇上等!~桃太郎編~
ちなみにディディー、前髪を一括りにして後ろに反ってピンで止めており、服装は茶色をベースにした和服を着込んでいる。
『桃太郎と猿が歩いていると』
続いて舞台の端から現れたのは、犬役のビル。此方も適役。演技はともかく、出演者に関しては気合いを入れているようだ。
「桃太郎さん! 近頃、鬼ヶ島に住んでいる鬼が村にやって来ては悪さをしていて困っている、と聞きました。俺でよければ、一緒に戦わせてください!」
堅実。
「吉備団子は」
「結構。これは自分の意思ですから」
「すげ、忠犬……」
髪を後ろで一括りにして、薄茶色の和服を着込んだビルは、ディディーの呟きに肩を竦めて笑って。……嬉しいのか?
『こうして桃太郎は、堅実な犬を仲間に加えて再び道を歩き出すのでした』